文部科学省が、修士の学位を取得するのに、必須だった論文審査が、平成24年度から論文不要とする方針を打ち出したのだそうだ。
確かに、2年間という短い中で、研究指導を受け、成果をまとめるのは結構しんどい。
そもそも、修士課程は、博士前期課程とも言われ、博士の学位を取得する前半部分という位置づけなのだ。
大学によっては、博士後期課程の3年と合わせて、5年一貫制の博士課程を置いているところも珍しくなく、この場合は、5年間をかけて、じっくりと博士の学位を目指すことができるのだ。
ただ、民間企業は、博士の学位の取得者より、修士の学位の取得者の方を好む傾向があることも否めない。
というのも、博士号取得まで進んだ学生は、専門すぎちゃって、応用が利かない、高学歴すぎて、それに見合う給与が払えない、といった理由で敬遠されているという風潮もある。
なら、5年一貫制では、修士が取得しずらい(実際には取得できるが)ので、修士課程(博士前期課程)を置く大学の需要というのは、今後も続くでしょう。
しかも、面倒な論文審査が無くなるということは、応用の利く博士の学位取得者を増やすという文部科学省の思惑どおりいくか、はたまた、お気軽に修士の学位を取得して、ますます博士の道に進学する学生が減ってしまうか、どうなるかは、来年にならないと分からないですね。