決勝結果

 1位  セバスチャン・ベッテル (レッドブル)
 2位  ルイス・ハミルトン (マクラーレン)
 3位  ジェンソン・バトン (マクラーレン)
 4位  ルーベンス・バリチェロ (ウィリアムズ)
 5位  ロバート・クビサ (ルノー)
 6位  エイドリアン・スーティル (フォース・インディア)
 7位  小林可夢偉 (BMWザウバー)
 8位  フェルナンド・アロンソ (フェラーリ)
 9位  セバスチャン・ブエミ (トロ・ロッソ)
10位  ニコ・ロズベルグ (メルセデスGP)
11位  フェリペ・マッサ (フェラーリ)
12位  ペドロ・デ・ラ・ロサ (BMWザウバー)
13位  ハイメ・アルグエルスアリ (トロ・ロッソ)
14位  ヴィタリー・ペトロフ (ルノー)
15位  ミハエル・シューマッハ (メルセデスGP)
16位  ヴィタントニオ・リウッツィ (フォース・インディア)
17位  ルーカス・ディ・グラッシ (ヴァージン・レーシング)
18位  カルン・チャンドック (ヒスパニア・レーシング)
19位  ティモ・グロック (ヴァージン・レーシング)
20位  ブルーノ・セナ (ヒスパニア・レーシング)
21位  ヤルノ・トゥルーリ (ロータス)
リタイヤ  ニコ・ヒュルケンベルグ (ウィリアムズ)
リタイヤ  ヘイキ・コバライネン (ロータス)
リタイヤ  マーク・ウェバー (レッドブル)

いや~、予想を裏切って、予選18位だった可夢偉が決勝で7位入賞。
思えば、前戦カナダGPと同じ予選順位。前回は、スタート時の混乱で10位までジャンプアップしたが、
今回は、始まって何周かは18位のまんま。今日は退屈なレースになるぞと思われてたその時・・・。
ウェバーが、周回遅れのコバライネンを抜きあぐねいてクラッシュ! これでセーフィティーカーが出たが、最初からロングランを狙っていた可夢偉はピットに入らず。
可夢偉って、チーム内でも別の戦略を採るし、みんながピットに入る中走り続けるなど、人とは違うことをやる。
それがギャンブルと彼は言うが、人と同じことをやっていたら、今のザウバーではなかなか上には上がれない。
モナコGPの時にもそれがうまくいきそうなところでマシンが壊れてしまっていたから、今度こそという意識もあったのだろう。
それが、功を奏して、40周位にも渡って3位を走行。しかも自分のペースで走れるから、後続をどんどん突き放す。
この走行も、何故かマクラーレンと同じようなペースで走れたのは、非常に不思議なのだが。
そして53周目にピットインして、9位に戻るのだが、もう少しピットインを遅らせれば、もっと前に出られたのでは?
という疑問も、実は、ソフトタイヤを履けば、オーバーテイクしやすいこと。後続のマシンがタイムを上げてきていたことなどを考えると、やはり絶妙なタイミングだったことがわかる。
そして、フェラーリに乗るアロンソをオーバーテイク! ここ、スペインだよ、アロンソの地元だよ、凄い。
と思うのもつかの間、最終周のしかも最終コーナーでブエミもオーバーテイクするという見せ場を作っての、7位フィニッシュは出来すぎだろうというわけだ。このバレンシアサーキットは抜きにくいサーキットとして有名で、退屈すると言われていたのに、可夢偉のおかげで、一躍脚光をあびたのだ。
フェラーリのアロンソもマッサもメルセデスのシューマッハも後方ということを考えると、可夢偉も偉業が光る。
そろそろ、来期のストーブリーグがささやかれる季節になるわけだが、今回のレースで達成したポイントは高い。暫定とはいえ、日本人で、3位走行をこれだけの周回を重ねた日本人ドライバーはいないし、フェラーリ、しかもアロンソをオーバーテイクしたわけだし、今シーズン、いい形で前半を終えられた。
もしかして、可夢偉は予選でQ1を突破せずに、18位で終えることによりフレッシュタイヤを残して、前半を思いっきり引っ張るという新しい戦略を開発してしまったのかもしれない。暫定とはいえ、上位を走っているのを見るのは、想像以上に良いものだ。
ところで、セーフィティカー中のラップタイムが早すぎたとして、9台が審議となった(可夢偉は対象外)が、結局5秒加算だけで、可夢偉の7位は変わらず。それどころか、10位と思われたデ・ラ・ロサが12位で入賞圏外へ。ダブル入賞のBMWザウバーと思ったのもつかの間、ザウバー的には、コンストラクターズポイントが減ってしまった。残念。