国立大学職員が、非公務員型となることは、前回お話しました。
では、待遇はどうなのでしょう。国家公務員と同じか、果たしてそれ以下なのか。

1.雇用保険の対象者となる
  各国立大学が定める就業規則等や労使協定により働くことになります。雇用保険料を納めなくてはいけなくなりますので、一労働者です。ですので、国家公務員時代にはなかった失業のリスクがあったり、ストライキ権があったりします。

2.ただし保険・年金は、共済のまま
  ところが、年金は厚生年金ではなく、共済年金のままです。年金は納める人が多いほど運用しやすいので、制度はそのまま継続されました。ただし、政権が変わって、厚生年金と共済年金の一元化案もあるので、今後はどうなるかわかりません。

3.有給休暇(年休)等
  有給休暇については、各法人の就業規則等で定めることになってますので、法人間で異なる場合も考えられますが、どこの大学も国の時代と変わらない運用をしているようです。基本的に年休は年当たり20日で、繰越可能日数も最大20日で、最大40日の年休を持つことが出来ます。
もちろん、年途中の採用は、それなりに少なくなりますが、1年目でも定年間近での方でも、待遇は一緒です。
  
4.特別休暇等
  夏季休暇や育児休業等、日数については、あまり変わっていません。
ただし、夏季一斉休業とする大学が増えてきて、昔のように7~9月の間の好きな時期に取れるというメリットが薄れてきました。しかも3日間と日数も増えていませんが、大抵は、有給休暇と組み合わせて1週間位取る人が多いです。間違っても、某私立大学のように25日間連続夏季休暇という国立大学はありません。

5.創立記念日休業
  これは、国家公務員時代にはありません。ありがたいのですが、定めていない大学もありますので、その大学は当然出勤です。

6.給与等
  給与も各法人ごとの賃金規則等で定めることになっていますので、法人間で差がでてくるはずですが、基本的には国家公務員の俸給表をそのまま準用しているところがほとんどと思われます。これは、人件費が国からの運営交付金によること、今も続く大学間人事交流を継続して行っていることによるものと思われます。

7.都市手当等
  都市手当とは、大都市圏に勤務する者ほど、物価が高く生活が大変だろうということで、地域により率を定めて加算しているものです。大学独自に定めている場合もあるようで、特に、複数のキャンパスを持つ大学では、居住地が一緒なのに、キャンパスの異動で、手当額が変わらないよう工夫しているところもあります。

8.通勤手当
  通勤手当は、昔は、電車などの公共交通機関を使った場合、通常経路の「1ヶ月の定期券額」で支給されていました。この場合、一気に6ヶ月定期券を買ってしまうと、最初は大変ですが、1ヶ月分くらいは、安く済みます。
しかし、現在では、「6ヶ月定期券の額を6で割った金額」で支給となるところが多いようです。この場合、1ヶ月や3ヶ月定期を買うと、自費持ち出し分が増えます。

9.その他手当
  以下の手当も、法人化前と変わりなく支給されているところが多いようです。
  「寒冷地手当」「住居手当」「単身赴任手当」など

なお、それでも諸手当を含めた給与が国家公務員比ラスパイレス指数80台というのは、何故なのでしょうか。とても気になる話だと思いますが、長くなりましたので、またの機会にお話しましょう。
ここまでの話、いまいち魅力に感じなかったみなさんも、次回の話を聞くと、国立大学事務職員になりたくなるかもしれません。