なんか、急にアクセスが増えたので、どうしてかと思ったら今年度の国立大学職員採用試験の申込受付が本日から始まったんですね。新型コロナウイルスの影響で、試験の申し込みも保留されているのかと勝手に思っていたので、ちょっと意外でした。

さて、そんな受験生の今一番の関心事といえば、新型コロナウイルスの蔓延で、国立大学職員はどういう影響を受けているのかということでしょう。地域によって差がありますが、自分が把握できる東京や神奈川の大学についての例で説明します。
まず、大まかにいえば、部署によって天国と地獄の差がめちゃめちゃ大きいってことかもしれません。地獄の典型といえば、どこの大学も「新型コロナ対策実施本部」のような組織を立ち上げ、日々、文部科学省などからの対応依頼に対応して、また学内からの問い合わせにも対応したりして、家にも帰れないまさに地獄のような毎日を送っています。この対策本部は、大体、総務部のようなところが担当します。
それから、大学は2020年5月13日現在、5月末までの休校が決まっています。一部地域は自粛解除のような動きがありますが、東京、神奈川はまず無理です。

そんなわけで、大学の授業はzoomなどの遠隔授業で行われるわけですが、そのアシストとして、学務部が対応します。とはいえ、遠隔では無理な実習などの授業は出来ないわけですから、解除後にはやらなくてはならず、恐らく土日返上、夏休み返上ということになり、休日も多くの事務職員が対応に当たっています。今後のカリキュラムの調整とか、もし、ほぼ全員の9月入学案が具体化したら、入試課も含めてもっと忙しくなるかもしれません。(大学にはもともと秋入学の制度自体はあります。ほとんど留学生か帰国子女向けですが)

人事部はどうかというと、人事も止めるわけにもいかないので、これも結構大変です。出勤が制限されている部署があったり、教員もほとんどが自宅での教育、研究を強いられていて、なかなか連絡がうまくいきません。この国立大学職員の採用試験ごろまでには落ち着くといいのですが。
また、給与も支払わなくてはならないのですが、4月勤務分は、超勤や減額などの調整ができずに5月は所定内しか払われないという連絡がありました。
まあ、世間の休業中の6割支給に比べれば、100%支給ですから、文句は言えません。6月のボーナスについてもいまのところ、予定月分出るようですし、自宅待機している職員の定期代も、月に1日出勤すれば、1ヶ月分満額支給されるようです。

研究協力部はどうかというと、「研究は止めるな!」っていうことで、コロナにも役立つ研究もあるし、教員との対応も結構あるそうです。教員は自宅なので、ほとんどメールでのやり取りになりますが、日常でも、教員は出張中とかでメールでのやりとりが常態化していますから、あまり影響はありません。ただし、外部との接触が制限されているので、業者から、物品を調達できなくなっていて、実験等には、かなり支障を来しています。

そこで経理部はどうなのかというと、いつもは死ぬほど忙しい経理部の年度末と年度初めの決算の期間ですが、今回に限っては、単年度決算の研究費の繰り越しも認められたりして、暇だったようです。

施設部はどうかというと、やはり、外部の業者が入れないので、工事がストップしたりして、こちらもなかなか進みません。現在開店休業状態です。いつもなら、施設部って、結構忙しいところなのですが。

では、私はどうなのかっていうと、詳しくは申し上げられませんが、天国系の部署にいるようです。
国からの70%出勤を抑制の号令のもと、私の部署はそれが守られ、週に1~2日出勤で、あとはテレワークという名の実質自宅待機です。急に決まったテレワークで、しかも個人情報の持ち出し禁止となれば、自宅でできる仕事といえば、暇なときにしか作れない仕事手順のマニュアル作成とか、送られてくるメールの応対位しかできません。なので、これ以外の時間は「自己研鑽」の時間となっています。
テレワークについては、どんな仕事を自宅で行ったかの日報を報告しなくてはならないのですが、毎日がメール対応と自己研鑽しか書くことがありません。

ここで、「自己研鑽」とはなんぞや? とお思いの方も多いでしょう。これはスキルをアップするために、自己努力することなんですが、まあ、資格でも1つとろうやということで、第1種衛生管理者の資格試験の本などを読んでます。
本を置くスペースが必要なので、本格的に部屋を片付け始めたら、かなり大がかりになってしまって、ほとんどが部屋の片づけと模様替えになっています。まあ、新型コロナがなかったら、なかなか時間も取れなかったので、いい機会ですね。

というわけで、これから、国立大学職員を目指す皆さんに情報をして役だったかどうかわかりませんが、いままでに誰も経験したことのない状況ですが、国立大学職員は、もともとは国家公務員でしたから、就業はかなり守られていることだけではお分かりになったと思います。
90年代バブルの頃は、公務員になり手が全然いませんでしたが、新型コロナで、国立大学職員の就業の安定性が一層クローズアップされたのではないでしょうか?