今日のニュースで気になったこれ

深刻さ増す私立大経営~4年制の約4割、短大の約6割が“営業赤字”
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180111-00004953-toushin-bus_all

(一部引用)
少子化が進む中、私立大学の半数近くが定員割れ


文部科学省が発表する「私立大学の経営状況について(概要)」によれば、入学者数の減少が顕著であることが見て取れます。

入学定員に対する入学者数の割合(以下「入学定員充足率」)を見てみましょう。これが100%超となった(つまり、定員割れしていない)大学の割合は、平成8年度の96.2%に対して、20年後の平成28年度には55.5%へ大幅に低下しています。

ザックリ言えば、私立大学の半分近くは定員割れしているのです。

当ブログで、8年前から警鐘を鳴らしていたのに、やっぱりというか、2018年を迎えて、本当にそうなったね、というか、今日まで何で何も対策を講じてこなかったのかとあきれるばかりですね。
まず、本ブログの元記事を見てください。↓

少子化と大学数の増加が招く戦慄の未来? ~目指せ国立大学事務職員シリーズ17~
http://tenkoe.blog.jp/archives/51476703.html

最初に、大学数が多すぎることに触れています。学校調査によれば、当時の大学数と今の数を比較すると、

        H21当時 →H29現在
国立大学  86校  →  86校
公立大学  92校  →  90校
私立大学  595校 →  604校
合計     773校 →  780校

というわけで、国立大学は同数、公立大学は2校減ったものの私立大学は7校増えて、合計で8年の間に7校増えてます。2018年から始まる18歳人口の減少が分かっていて、何故対策をとらなかったのか。
それは元記事にある進学率の上昇を期待していたからにほかなりません。

当時の記事の図が以下の通りです。

大学・短大進学率等の推移
























どうですか? 平成20年当時の進学率が55.3%です。しかも折れ線グラフは、平成14年度頃から上昇カーブを描いており、このまま進学率が上昇していけば、平成29年頃は、70%位になっていると目論んでいたのかもしれません。実際の進学率はどうなったのでしょうか? 

大学進学率2017


















上の折れ線グラフの水色の線が、大学・短大進学率ですが、平成29年3月の進学率は54.8%で、期待の70%どころか、平成21年当時すらも下回っています。これは一体どういうことでしょうか?
上の表を見ると、確かに平成15年頃から上昇カーブになっていますが、平成22年頃から水平になりほぼ横ばいとなってしまいました。
原因として考えられるのは、やはり、平成20年9月に起きたリーマンショックによる不況が発端と考えて良いでしょう。当時は山一証券破たんや絶対潰れないとされていた都市銀行の北海道拓殖銀行の経営破たんなど、今後の景気が見えない中、授業料などの負担が重くのしかかる大学進学を諦めざるを得ない状況が続いたことが、この進学率の鈍化そして、減少につながったのだと思う。

記事の続きをもう少し引用しよう
(一部引用)

入学定員充足率(100%、80%超)を満たさない比率は、ここ3~4年は下げ止まりの傾向が見られています。この要因としては、多くの大学が入試の合格ラインを引き下げる等して、受験生に“下駄を履かせた”可能性があります。

(中略)

4割弱の私立大学が“営業赤字”の状態に


この帰属収支差額がマイナスの大学、つまり、運営費用を学費収入等で賄えない大学は、平成4年度の52校(全体に占める割合13.8%)に対して、その22年後の平成26年度は219校(同37.0%)へと増加しています。

つまり、全体の約4割弱が“営業赤字”という状況です。


私立大学にありがちな対策がやはり「下駄を履かす」ってこと。つまり、今までだったら入学できないような学生が、極端な話、入試答案の受験番号と名前さえ書ければ、定員充足のためなら入学できてしまうかもということも考えられるということ。その代償として、大学としての入試難易度の易か(偏差値の低下)を招き、教育・研究内容の低下につながってくる。それでも4割が経営赤字というのだから、今までも言われているように、国立大学職員に比べて、私立大学職員の方が給与が高いのが原因の一つでもある。

(一部引用)

これにさらなる追い打ちをかけそうなのが、「大学の2018年(平成30年)問題」です。そうです、今年なのです。

これは、18歳人口の減少と大学進学率の頭打ちにより、2018年から大学志願者数の大幅減少が予測される問題を指しています。仮に、大学側が入試合格ラインをもう一段引き下げても、入学者数が一層減少することは不可避と言われています。本当にそうなのか、今年の受験シーズン後に公表されるデータを待ちたいと思います。


もう、公表される前から分かっていたことです。このブログが始まった当初から分かっていたのに何も対策してこなかった大学職員気質というのがよくわかる記事でした。