とはいっても、まだ検討段階なのだが、「男の体で生まれたが、女性として生きるトランスジェンダーの学生を受け入れる」ということに、前向きらしいというニュースが飛び込んできた。

これを考える上では、そもそも女子大学が何故存在するのかを、考えないといけません。

 

女子大は戦後の民主社会にふさわしい女性を育てるという積極的意義を持ちながらも、共学を原則とする新学制の下では、「女性の教育機会を増やすための過渡的な補助手段という政策的な側面もあった」という他、男子系大学側の受け入れ態勢の遅れや共学に対する保護者側のためらいも残っていたためと、早稲田大学の湯川次義教授(女子高等教育史)が語っています。

 

ところが、昨今では、女性の社会進出も進み、不要論や懐疑論が浮上するなかで、共学の大学が増え、そもそも、女子大が何故必要なのかともささやかれています。

 

そんななか、じゃあ、国立大学の女子大も日本には、2大学あるけど、それはどうなんだということにもなります。特に国立大学は、国民の税金を原資とする運営費交付金の割合がまだまだ多くを占めて運営されているので、女子ばかり優遇するのはおかしい、そもそも法の下の平等という観点からもおかしいということになってしまいます。

 

とはいえ、男性と女性はそもそも持っているものが違うのだから、性差によって、分ける必要があるものもあります。浴場や便所などはその典型例でしょう。とはいえ、これは女性専用もあるが、男性専用もあるので、法の下では平等と解釈してもよいでしょう。

 

では、男性専用のない、電車の女性専用車両についてはどうでしょう?

これは主に痴漢対策がメインで、女性の被害が圧倒的に多いからという理由も成り立ちますが、男性が痴漢被害に遭わないかというと、そんなこともありません。実際、私も満員電車の中で、知らないおっさんにズボンのチャックを下ろされ、陰茎をしごかれながら、強引に射精までさせられてしまったこともありました。まあ、このケースは、仮に男性専用車両でも防げるわけではないし、射精してしまったことでどんなに訴えても被害者としては、警察は扱ってくれない(被害届不受理)ので、ここでは考えないことにします。

 

女性専用のお食事処というのも多いです。また、女性割引料金を設けているところも多いです。女性の味覚は男性と違うからなのか、女性の嗜好のメニューを扱っているからなのか、女性は男性より食べる量が少ないだろうということなのかわかりませんが、では、なぜ男性ではダメなのかという、理由にはなっていません。

コンサートではどうでしょう? 女性客限定のコンサートというのも多いです。まあ、女性のファンが多い歌手は、女性限定として一体感を醸し出したいということなのかもしれません。

ところが、ある歌手が、「男性限定コンサート」を開こうとしたら、大バッシングを受けたということがありました。女性歌手が「男性限定」ならなんとなく分かるのですが、

男性歌手が「男性限定」としたことに、その男性歌手のファンである女性が激怒したというのです。

 

以上、結局なにが言いたいのかというと、日本女子大学のケースでは、いわゆるLGBT戸籍上は男子だが、性同一性障害と診断され、女子として生活している)ケースを対象としていることです。日本では、性別適合手術を受けるなどすれば、戸籍を男性から女性に変えることも可能で、この場合、すんなり女子大学の受験も可能と思われます。ただし、条件の1つに20歳以上というのがあるので、高卒直後の現役受験はまだ難しい現状です。

 

そんななか、日本女子大学は、18歳でも、性同一性障害の診断書があれば、門戸を開こうかとの検討に入ったということなので、国立大学である、お茶の水女子大学や奈良女子大学も検討を始めるでしょう。

 

とはいっても、本当に外見が見分けつかないほど、女子力のオーラを放出していればいいのですが、外見がほとんど男だった場合、そうとう揉めるのではないでしょうか?

 

この問題は結局、女子がどうとらえるか、どう感じるかに関わってきます。

つまりセクシャルハラスメントの問題で、イケメンに言い寄られたら「うれしい」、ブサメンに言い寄られたら「セクハラ」というのもほぼ同じような気がします。

 

結局、女性が関係するこの問題は永遠に難問と言えるでしょう。

そして、日本女子大学が果たしてどんな結果をだすのか、大学職員全員がその行方を見守っていることでしょう。