日本政府は、国会内で給与関係閣僚会議を開催し、国家公務員の給与引き下げ7.8%を実現すべく、人事院勧告を無視した特例法案を今期の臨時国会で成立させるとしている。
そこで、自民党は、争議権の無い国家公務員に対し、一方的に給与引き下げを行うのは、憲法違反としているが、それはもっともだろう。
東日本大震災の影響が大きく、生活に困難を来している人が大勢いることはわかるけど、その考え方の根本が間違っていると言うしかない。
つまり、国家公務員の中には、被災している国家公務員もいれば、被災地のために汗を流している国家公務員もいる。そして、政治家の給与はどうなるんだということには触れていない。
また、国家公務員だけが対象で、もっと高給の地方公務員はどうなんだ? ということにもなる。
つまり、世間の受けがいい、国家公務員の給与の引き下げだけが、一人歩きして、政権維持に必死になっているように見えてしまう。

さて、ここで本題だが、では、国立大学の事務職員の給与はどうなるのか? ということ。
これまで、国家公務員の期末・勤勉手当を含む給与の引き下げに関して、人事院勧告どおりの実施に呼応して、国立大学の事務職員の給与は下がり、期末・勤勉手当も同率でカットされてきた。
つまり、国立大学法人という、国家公務員ではないけれど、運営費交付金という国のお金で大部分が運営されている以上、同じように従ったわけだ。

では、今回の国家公務員の給与7.8%の引き下げが実施された場合、同じように、国立大学事務職員の給与の同様に引き下げられるのでしょうか?

というところで、国家公務員の給与制度上、人事院勧告に従わない事態は初の出来事であり、どうなるかは正直私にもわかりません。
しかし、国立大学職員の給与のラスパイレス指数(国家公務員給与を100とした時の割合)は、平均で85位であり、そもそもが最初から、国家公務員の15%引き下げた給与しか貰っていないわけです。
そのうえで、さらに7.8%も引き下げとなれば、国立大学事務職員は、生活が成り立たなくなる人が続出するに違いありません。
さらに、もっと大事なことは、国立大学は法人化したため、身分は「法人職員」であり、適用法律は労働基準法であり、労働組合があり、争議権もあるというところが、国家公務員と異なるところです。
もちろん、無理な賃下げ要求には、どこかの国立大学でストライキが起きる可能性だってあります。

そもそもこの国の復興を願うのであれば、それに尽力している国家公務員の給与を下げるとか議論する前にもっと削減すべきところは沢山あると思います。国家公務員宿舎の建設中止などは、私から見ても評価できます。
お金は天下の回り物という言葉があるように、国家公務員の給与が減ることによって、民間へ流れる(支払う)お金が減るわけですから、ますます景気は悪化するし、それに伴って民間の給与にも悪影響を及ぼすのです。

というわけで、国立大学事務職員は、今回の引き下げとは連動しないことを祈るばかりです。

(給与の一例です)
国家公務員の給与 月額300,000円の場合 7.8%下げで、276,600円に
国立大学事務職員の場合(ラスパイレス指数85として) 月額255,000円が235,110円に

というわけで、国立大学事務職員の場合、もはや初任給かと思う額に愕然となったりします。