大学関係者の皆様へ[1]
毎年、このクリスマスの時期は、国立大学職員関係は、いつも忙しい。それは、平成23年度の予算の内示示達があるためだ。
さて、今回、民主党政権下で、あれほど予算カットと言われてきたのは、どうなったのか? そして政策コンテストの結果はいかに反映されたのか?
このブログでは、「コンクリートから人へ」の政策転換を図る民主党なら、普通に考えれば、コンクリート関係が多い国土交通省予算は減り、人の育成関係が多い文部科学省予算は増えるはずである、と今まで力説してきた。
さて、その結果は、文部科学省が「大学関係者の皆様へ」向けにまとめを示したのが上の図だ。

残念なことに、下げ止まったと見られた、国立大学の生命線ともいえる「国立大学法人運営費交付金」は58億円の減額となった。
ただし、その下げ幅は過去最小だ。しかも、同額の教育研究特別整備費が新規に創設されたことにより、実質やっと横這いになったと言っても良い。

次にこれだけは良くやったと褒めてあげたい科学研究費の大幅増額がある。なんと前年比633億円増の2633億円の研究費が付いた。それだけではない。新規の8割に当たる予算の3割が基金化することにより、年度縛りがなくなり、繰り越しや前倒しが可能になるため、研究費の使い勝手が大幅に向上する。なんでいままでやれなかったのか、悔やむが、まあ、これは大きな前進だ。さすが、東京工業大学出身の理系総理大臣だけあって、はやぶさの快挙もあり、このブログでもさんざん力説してきた資源の乏しい我が国が、世界に誇れる分野は科学・技術だ、と言ってきたのがやっと認知されたのであろう。

ほかにも、ノーベル賞授賞者がおっしゃっていた、海外への派遣の人材育成にも新規で22億円付いたし、耐震化を含めた整備費も内示があったのが良い。

学生の皆様へ[1]
次に学生の立場に立ってどんな支援に予算がついたか見てみよう。
奨学金の貸与人員が、8.8万人増の127.2万人。しかし無利子貸与はわずか9000人増えたのみだ。
また、授業料免除枠は、38億円分も枠が増大し、国公私立合わせて9000人増の75000人に恩恵がある計算だ。これも、良い傾向だ。
他にも就業力支援に29億円、また、科学好きの高校生など早いうちから人材を育てる取り組みに新規に2.8億円とこれも額は少ないが評価できる。

というわけで、政策コンテストでC評価だった事業も、これからの日本を考えれば削れないということに気づいたのか、要望額の9割の予算が認められたようだ。

まあ、100%満足というには、まだまだ遠く及ばない結果ではあるが、その前の事業仕分けとか、政策コンテストの結果があまりにも酷かったおかげで、その見直しがちゃんとされた点はよかった。
っていうか、このブログ、何故だか、数多くの政府機関や首相官邸からもアクセスがあるんだけど、まさか・・・・ね。だって、これ単なる個人的な趣味日記だし。