関係者の皆さんは、この事業仕分けの対象の報道に、国立大学はどうなっちゃうのと思っているのではないでしょうか。
11月10日のニュースを賑わせた、民主党政権による国の事業の見直しは、事業仕分けによって、447事業を約200項目に整理したうえで、統合や移管、削減、廃止などの判断を1項目あたり約1時間というわずかな時間で判断するのだそうだ。
その基準としては、たった5項目の視点から判断するのだというから心配も積もる。その基準は、

1.事業が必要か
2.国が担わないといけないか
3.来年度予算に盛り込むべきか
4.事業内容や組織、制度などに改革の余地はあるか
5.予算額は妥当か

となっている。
これを見て、少し安心されたのではないでしょうか。
こども手当や、高校の実質授業料無償化で、国民のみなさんが育て上げた大事な大事な人材を路頭に迷わすわけにはいきません。運営費交付金があることにより、文系でも理系でも医学系でも授業料が一緒で系に差別なく教育を受けられることに国立大学の存在価値があるのです。
4.についても、法人化後6年目を迎えて、組織や制度も非常に合理化され、もうこれ以上改革の余地がない程まで予算が削られてきています。
それをもって、5.については、予算額は、むしろ足りないんじゃない?
という結論に至るのです。それは、すでに、民主党マニフェストにもさりげなく書いてあります。

民主党マニフェスト(抜粋)
45.環境分野などの技術革新で世界をリードする
○国立大学法人など公的研究開発法人制度の改善、研究者奨励金制度の創設などにより、大学や研究機関の教育力・研究力を世界トップレベルまで引き上げる。

首脳陣に理系の多い民主党らしさが出ていますが、少なくとも理系分野をもっている大学には、なにかしらの恩恵はありそうです。
朝日新聞のアスパラクラブの「科学面にようこそ」にもこんな記載があります。一部引用します。

予算抑えて何めざす? 科学技術での「鳩山カラー」探る  [09/11/06]
https://aspara.asahi.com/blog/science/entry/DgDSj4L3rM

◇国公立大への運営費交付金 下げ止まり

民主党の政策集に「削減方針の見直し」が掲げられた国立大学への運営費交付金は、今年度に比べ13億円増の1兆1708億円。前政権下では毎年100億~200億円程度減らされてきたが、下げ止まった。

交付金は現場の教員に割り当てられる教育研究費となるため、削減に対しては反発が根強かった。10月上旬も、国立大学理学部長会議が「研究や教育の質の低下を招かないための努力が限界を迎えつつある」とした提言を出したばかり。ただ、今回の要求額について、提言をとりまとめた東北大学理学部長の花輪公雄教授は「下げ止まっただけなので、苦しい状態が改善されるわけではない」としている。

というわけで、13億円とはいえ、微増の方向となり、やっと下げ止まった格好だ。今までの削減幅からみれば、雀の涙ほどだが、教育や研究経費の必要性も事業仕分けで是非認めてもらいたいところだ。
これは、教育研究費の増額で、人件費は相変わらず厳しいところだが、今までは人件費を削って教育研究費を捻出してきただけに、これはうれしい記事だ。
ただし、花輪教授もおっしゃっているように、あくまでこれは下げ止まっただけ。13億円アップしたところではまだまだ足りません。
今回の事業仕分けにより、より一層の増額を望みます。

以上のことから、さすがに、これ以上の運営費交付金の削減は無いと思いたいですが、何かの事業と一緒になる可能性はあるし、いままで付いていた他の補助金や競争的資金などが削減されることは予想されます。

なお、あくまでこれは現在の状況における私の個人的な見解ですので、今後の展開で大きくはずれることもあり得ますがその時はお許しください。